New York Times, On the Run - A Blog About the New York City Marathon
掲載日:2011年11月6日
By JOHN OTIS
日曜日に行われたニューヨークシティマラソン、車椅子部門において歴史が作られた。ソエジママサズミ(副島正純)選手が、男子の車椅子部門で優勝し、すべてのマラソン大会を通じて初めての日本人優勝者となった。記録は1時間31分41秒で、ニューヨークシティマラソンでのベストタイムである。副島選手のこれまでのベストタイムは、昨年出した1時間37分31秒。これは2秒差でデビッド・ウィアーに次ぐ2位となった時のものであった。
女子の車椅子部門では、アマンダ・マグロリー(イリノイ州シャンペン)選手が1時間50分24秒でコース記録を叩き出し、優勝した。
41歳の副島選手は、この優勝を日本の東北地方の子供たちに捧げたいと言う。3月の震災と津波、そして引き続いて起きた原発事故で影響を受けた子供たちである。3月の震災が起きた時、副島選手は、ボストンで、ボストンマラソンに向けてのトレーニング中であったが、そのボストンマラソンでは優勝している。テレビで繰り広げられる日本での惨状を見るのは辛かった、と副島選手は言う。「私は、日本を励ますために何ができるか、ずっと考えてきた。」副島選手は、ニューヨークシティマラソンの5回目の挑戦で掴んだ勝利の後、話した。「今年勝つという約束をしたが、それが果たせてうれしい。」
自分に対する励ましとして、副島選手は東北地方の子供たちが寄せ書きした「きっと勝つ!」という旗を持ち歩いていた。
オーストラリアのカート・ハーンレー選手は、2006年にニューヨークでコース記録を出しており、4年連続でここニューヨークで優勝してきたが、今回は2位であった。記録は1時間33分56秒であった。日本のホキノウエコウタ(洞ノ上浩太)選手は、1時間34秒21秒で3位となった。
女子優勝者のマグロリー選手は、2006年にもここで優勝しているが、2007年にエディス・ハンクラー選手が出した1時間52分38秒のコース記録を、今回、2分以上も縮めた。「車椅子のマラソンコースでも、ニューヨークは、最も過酷なコースで、最も過酷なレースだ。」マグロリー選手は話す。「だから、ここで勝ったことは大きい。」