By NATE SILVER
2011年8月5日
ガイドブックには、日本では決してチップを置かないようにと書いてある。しかし、私とパートナーは、昨年12月、日本へ旅した。90ポンド(40kg)位のベルボーイが私たちの満タンのスーツケースを私たちの部屋に運ぶことを申し出た時、我々は数百円のチップは必要だろうと思った。彼女は、丁寧に、私たちのお金を拒否した。その次の週には、霧雨が降り始めたので傘を私達に用意してくれたホテルスタッフ、あまりにも外れた場所でインターネットにも載っていないびっくりするような寿司屋の予約を入れてくれたホテルコンシェルジュ、今食べたばかりのおいしいすべての食べ物を記念して、英語でのメニューを私たちのお土産にしてくれたレストランオーナー、皆がチップを辞退した。チップがないのだ。それだけのことである。
この強硬な姿勢で、ある疑問が持ち上がった。あなたは、チップを期待しない国々でより良いサービスを得られるか、それとも日本固有のものか?その答えは少し複雑で、私がティッピングカーブと呼んでいるものに関わってくる。
先月、私は、約400人の経験豊富な国際的な旅行者に対して、彼らが24カ国において経験するサービスのレベルと、彼らがそれぞれの国で外食をした時にいくらチップを払ったかを調査した。サービスの面では、日本が圧倒的な勝利で、それは5点満点で平均4.4ポイントを獲得した。一方、ロシアはわずかな1.7ポイントで最下位であった。
何が一般に受け入れられるチップの慣行を構成するかを解明するために、私は、アンケートの回答と、3つの旅行エチケットウェブサイトの指導の組み合わせにより、「チップインデックス」を構築した。私は、これらの国を並べると、次の3つのグループのいずれかに分かれることがわかった。①かなり大きな額のチップが文化の一部となっているところ、②チップが一般的ではないところ、③①と②の間のどこかに該当するところである。
顧客サービスにおいて高いレベルと評価された国々は、スペクトルの両端に集まる傾向があった。日本とタイでは、チップは稀だが、サービスが優れていると見なされる。最もチップに親しい国である米国とカナダもまた、サービスに対する平均を上回る評価を受けた。
ほとんどのヨーロッパ諸国(ドイツは例外だが)平均以下の得点であった。フランス、スペイン、イタリアのような国々では、しばしば、勘定にサービス料を追加されている。 更にチップを払うのかどうかは、未解決の問題である。フランスへの旅行者の約3分の1は、レストランのボーイに小銭以上は払わないと言うものの、同じ旅行者の4分の1はまともなサービスのために少なくとも15%を払う、と言う。
ロシアのような奇妙なケースもある。彼らは外国人にはチップを期待するが地元の人間に対してはそうでもない、またエジプトでは、チップは一般的であるが、勘定に対する割合ではなく、フラットレートであることがよくある。
これらのすべてで、私たちはティッピングカーブがわかる。もし、ウェイターが寛大な心づけを期待する場合、そこには優れた仕事をするための強力な経済的動機がある。そして、彼らが全く何も期待していない場合には、適切なサービスは経済的要素から完全に切り離され、習慣の問題となる。しかし、国がそういった違いを分割しようとしたり、そのシステムに混乱させるルールを導入しようとすると、その国のウェイターは顧客に不満をもたらす可能性が高くなるようである。
(終)
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