2011年3月24日木曜日

日本の原子力危機、米国での使用済核燃料の戦いを再燃させる

(オリジナル記事はこちら)
The New York Times
By MATTHEW L. WALD
公開日:2011年3月23日
発信:ワシントンDC

(本文)
日本の原子力発電所での高レベル放射性使用済燃料の放出の脅威のため、米国ではどのように核廃棄物を管理する方法ついての議論を再燃しており、ネバダ州の国の保管場所のための脱線した計画に対する新しい非難を呼んでいる。

米国の原子力発電所で使用済燃料を保管するプールは、日本の原子炉で比べてさらに重く詰め込まれ、専門家によると、日本のものよりも脅威に対して脆弱な場合もあるとされている。しかし、電力会社は、それらを安全性を高めるために9月11日のテロ攻撃以来、措置を講じている。

これらの懸念に加えて、廃棄物を移動する計画がないために、ネバダ州の砂漠地帯のユッカマウンテンを保管場所にする提案が浮上している。オバマ大統領は、彼の2008年キャンペーン期間中にこのプロジェクトを中止すると約束し、去年エネルギー省に対しその建設許可のために原子力規制委員会に提出された申請を取り下げるように伝えた。

議会ではフラストレーションが高まっている。 「あなたはその手で邪悪な混乱を招いている。」ミシガン州の民主党のJohn D. Dingellは下院小委員会において、原子力規制委員会の会長のGregory B. Jaczkoの会長にそう言った。「使用済燃料を積み上げ続け、ひとつのプールに格納できる2倍の量になっていて、スペースが不足している。政府には他の場所での長期計画はないのか?」

議会は1987年、ユッカマウンテンを廃棄物処理場のための第一の選択肢としたが、その時点では工学的研究を保留した。立法府議員の多くは、オバマ政権はこのプロジェクトを停止する権限を欠いており、現在の所在から移転されるプロジェクトを復活させるべきだと言う。

ユッカマウンテンへのプロジェクトは共和党と民主党の両方で支持が強い。しかし、ネバダ州の上院多数党院内総務のHarry Reidはそのプロジェクトは廃案だと地元で公約している。

もし、国民的な考えがユッカマウンテン計画を復活させる方向であったとしても、少なくとも支持者が認めた10年間は核廃棄物を受け取ることはできないだろう。

オバマ大統領がユッカマウンテンのプロジェクトを停止する前に、当局者は、建設を承認するために5年、さらに燃料を受け入れる準備を整えるのに6年かかると考えていたと、公共事業規制国家委員会での核廃棄物の専門家である、Brian O’Connell氏は言う。

10年以内に核廃棄物の受け入れを開始するには、「あらゆるものに対して青信号が点灯する必要があるだろう」とBrian O’Connellは言った。「日本で事故が起きたことで、この動きはさらに減速するだろうと予想される。」

科学者やエンジニアたちが提案するのは、暫定的な修正プログラムとして、多くの使用済燃料を多くの発電所ですでに利用されている乾燥樽に格納することだが、離れた都合のよい場所へ運ぶことのほうが好ましいだろう。これらの乾燥樽は老朽化しているか、腐食が進んでおり、高いレベルのセキュリティが必要となるものがある。
(つづく)

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