The New York Times (オリジナル本文はこちら)
By MATTHEW L. WALD
公開日:2011年3月30日
ワシントン州のスポケーンで先週採取された牛乳サンプルのテストによると、日本の福島第一原子力発電所からのものとみられる放射性ヨウ素の存在を示した。但し対策がとられるようなレベルよりははるかに低いものだ、と環境保護庁が明らかにした。
液体中の放射性物質はリットル当たりピコcuriesで測定されるが、3月25日採られた牛乳サンプルは、0.8ピコcuriesの数字を示したと担当者は言った。これらの数字は、食品医薬品局によって設定された「介入すべきレベル」の5,000分の1の数字であった。
「この種の調査結果は、数日中にあると予想されており、公衆衛生上で懸念されるレベルをはるかに下回り、幼児や子供を含めて問題はない。」環境保護庁は言っている。
空気に含まれるヨウ素131のレベルは非常に薄められるが、牛が食べる草にヨウ素が堆積した場合は、それを食べた牛は牛乳として1000倍に濃縮する。これは主に新鮮なミルクに関する懸念であり、消費する前に貯蔵、製造される乳製品に対してのものではない。
ヨウ素131の半減期は8日で、8日ごとに半分その強さを失うことを意味する。福島原子炉からのヨウ素131の放出は、3月11日にシャットダウン時に停止しているので、すでに2回の半減期が過ぎており、ミルクはチーズやヨーグルトとして製造される前に再度1、2回半減することになる。
ヨウ素131は、電子のようにベータ粒子を放出する。人間の体の外的要因としては大きな危険性はないが、大量投与により目の角膜を損傷することがある。
問題は、ベータ粒子を放出する素材が、摂取もしくは吸入された場合に発生する。ヨウ素131は化学的に通常の非放射性ヨウ素と同一であるため、通常のヨウ素と同様に体内に甲状腺を中心に吸収され、小さな臓器への集中的に投与される結果となり、がんを引き起こす可能性がある。
1986年のチェルノブイリ原発事故では、最大の健康への影響は甲状腺がんの症例で、特にウクライナの原子力発電所の近くに住んでいた子どもたちに対するものであった。
(終)
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