2011年7月26日火曜日

前例のない、北朝鮮で規定コース外の写真取材

By JEAN H. LEE  
2011726
発信地:ピョンヤン 北朝鮮


同級生の手を握り、一緒に小さな男の子がスキップする。彼の頬は紅潮し、彼のくまのプーさんのトレーナーには、偉大な指導者の笑顔のバッジが留められている。チュチェ塔の隣にあるドイツ風パブでは、緑色の軍服を着た男たちがビールを片手に冗談を言い合う。女子学生たちは、先鋒隊の赤いスカーフを身に着けて、私も子供の頃に習った古典的な韓国の曲を歌いながら、調和して体を動かす。

私が目にする至るところで、共産主義の北朝鮮は、外国の世界でもあり、私のような韓国系アメリカ人の目には馴染みのある世界でもある。男達はマオスーツを着用し、子供たちはミッキーマウスのリュックサックを背負う場所であり、そこでは、彼らは互いを「同志」と呼び、スパイシーなキムチが好物である。

2008年にAP通信のソウル支局長になって以来、私の北朝鮮への目を見張るような訪問も5度目である。アジア地区のチーフカメラマン、David Guttenfelderは、過去12年間に何度もこの国を旅している。
今年、Davidと私は、前例のないアクセスを与えられている。我々は、この国の田舎に旅した。北朝鮮のジャーナリストを伴ったが、政府のボディガード付きではない。私たちは、携帯電話を持ち、インターネットアクセスを与えられ、そしてドライバー付きのバンで、南は開城、北は妙香山、南はNampoまで訪れた。

この私たちの旅行中、世界で最も隠されている国の一つで、日常生活を垣間見ることができ、変化の最前線にある国であることがわかった。

我々が取材ツアー中に目にするもののほとんどは、慢性的な経済困難に苦しんでいる国ではなく、明るい側面を見せるように意図されている。平壌の近代都市において、貧困を目の当たりにすることはない。我々は、キラリと光る廊下や、大きく、シャンデリアで飾られたロビーを、キラキラ光るドレスやきちんとした軍服を着たガイドを介して案内される。ガイドたちは台本があるかのように話をする。生け垣は刈り込まれ、ベゴニアが満開である。

しかし、これらの段階的な訪問を通し、率直な機会を得て、西側諸国に対して得体の知れない社会にも人間の顔が見え隠れする。それは、典型的に描かれているよりももっと複雑で質感があるものである。

(終)

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