2011年6月30日木曜日

ロック伝説、ポール・サイモン「私は、何も変えるつもりはない。間違いであろうと。」

掲載日:2011年6月23日


ジェフリー・ブラウン:そしてついに今夜、60年代の「サウンド・オブ・サイレンス」から、現在の「ソー・ビューティフル・オア・ソー・ホワット」へ。
先日、伝説的なソングライター、パフォーマーであるポール・サイモンと対談を行った。

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ジェフリー・ブラウン:彼の新しいアルバムのタイトルトラックである、「ソー・ビューティフル・ソー・ホワット」、69歳のポールサイモンはまだ、遊び心のあるフレーズを口ずさみ、曲を通して人生を検証する。

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ジェフリー・ブラウン:ファンの大半の世代は、サイモンの歌を覚えながら育ってきた。通常、曲を書くときには、言葉ではなくてリズムとサウンドが最初に浮かぶんですね。それを聞いた時には少し驚きましたが。

ポール・サイモン:どういうわけか、サウンドが私の中で正しいと認識されると、物語が始まるんです。私は曲を書き始めるときに、何を書くつもりだかわからない。それは、道を歩いているように。曲がった道の向こうに何があるのかわからないし、どこへ行こうとしているのかも分からない。そこがおもしろい。

ジェフリー・ブラウン:もちろん、今でも、ポールサイモンは象徴的な地位にあり続けている。2007年、彼は、「ライブラリー・オブ・コングレス ガーシュイン・プライズ フォー ポピュラーソング」の初めての受賞者に選ばれ、グラミー賞を含め数多くの栄光にも輝いてきた。

しかし、彼はまだ、彼の幼年期の友人アート・ガーファンクルとサイモン&ガーファンクルを結成し、時代を象徴するに等しい楽曲を送り出してきた、クイーンズ出身の子供と何も変わってはいない。デュオは、1970年に解散。その後、サイモンは、12枚のソロアルバムを送り出している。

彼は、南アフリカのミュージシャンと録音した1986年のアルバム「グレースランド」では、ロックンロールの歴史を作り続けている。彼は、2回のニューヨークのセントラルパークでの巨大コンサートを、1991年にはソロで、その10年前にはとサイモン&ガーファンクルとして開催し、数十万人を動員した。

彼の新しいアルバムは、コネチカット州の彼のホームスタジオで録音された。神や死への話題に満たされ、「ゲッティング・レディ・フォー・クリスマスデイ」ではまじめに、「アフターライフ」では、天国と官僚主義の悪夢にユーモアを織り交ぜている。

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ジェフリー・ブラウン:先日、ツアー中のワシントンのDARコンスティテューションホールでの公演の際に、我々は会った。私は、サイモンに、歌詞が重い内容なのは彼が70歳になろうとしていることに関連しているのかどうか、と尋ねた。

ポール・サイモン:70歳になること以上だね。

ジェフリー・ブラウン:本当?

ポール・サイモン:私が70歳になることとつながりがあるとは思うけど、それは意図的ではないよ。
私自身驚いたのは、最初の6曲を書いていた後、そのうちの5曲が、「ゲッティング・レディ・フォー・クリスマスデイ」でのクリスマスとかを含めて、神やそのようなこと歌っているように思えた。驚いたね。

ジェフリー・ブラウン:あなた自身、驚いた?

ポール・サイモン:そう。私は、何が起こっていたのか、と考えた。
私が書くものは、私が知っている誰かや、私に起こった何かに関連するものとしてわかる部分はある。そして、私が書くものは、長い時間が経過しないと、私にもわからない部分もあるんだ。そして、私は、後でわかるんだ、ああ、それはこのことだったんだ、と。

ジェフリー・ブラウン:サイモンのツアーは、8人編成のバンドであるが、新しい曲の中でも「クエスチョンズ・フォー・エンジェル」のように、以前のように単純に、ギターだけで書かれたものもある。

ポール・サイモン:サイモン&ガーファンクルの曲はすべて、ギターだけで作った。

ジェフリー・ブラウン:そうですか。

ポール・サイモン:リズム主体ではなかったんだ。リズム主体のものは、少ししかなかった。思うに、「ミセス・ロビンソン」がリズム主体の最初じゃないかな。

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ジェフリー・ブラウン:これが最初に頭に浮かぶんですね?

ポール・サイモン:そう。

ジェフリー・ブラウン:「ミセス・ロビンソン」は、今でも、何百万人もの人々にとって、遠い記憶や郷愁を呼び起こすサイモンのたくさんの曲のうちのひとつである。
ということは、彼自身、昔のことに思いを馳せることが多いのか、とたずねた。

ポール・サイモン:そうでもない。あるとしても、それは60年代よりも前のことだろう。50年代だね。そう、十代の頃、13歳から15歳あたり、みんなそうだと思うけど、聞くものすべてを、徹底的に、そして完全に吸収してる。

ジェフリー・ブラウン:その頃のこと、何かおぼえていますか?

ポール・サイモン:ああ、まるで写真を見ているようだ。自分自身のこと、自分が育ったことの近所のこと、頭の中の写真だね。そう言えば、昨日、息子のリトルリーグのチームのコーチをしたんだ。彼は、13歳。
センターを守ってる。
そう、私が昔、野球をした場所なんだ。彼はね、そう、自分に似てる。13歳の頃の自分に。見た目は自分の方が少しましだけど。
それで、彼はセンターにいた。はっきりと覚えているよ。

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ジェフリー・ブラウン:「リライト」新しいアルバムに収録されている曲の一つの中で、ポールサイモンは、より良い人生になるように、昔に戻って人生の物語を書き換えるようとすることにしたキャラクターのことを歌っている

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ジェフリー・ブラウン:この曲が示唆するように、私たちは常にそう願うけれど、この書き手は、彼は、物事はどうにかうまくいくことに満足している、と書いていますね。

ポール・サイモン:私は、書き直さないよ。私は、何も変えるつもりはない。間違いであろうと。だって、自分自身が変化しているのがわからないんだから。それに、何のために変える必要がある?物事は、おおむねうまく行くんだ。知ってるだろう。それは、自分がほとんど文句を言えない、という意味でね。

ジェフリー・ブラウン:これからも、楽しんで、曲を書き、アルバムを作り、ツアーで出かけるのですか?

ポール・サイモン:ああ、そうです。私はとてもラッキーだ。本当ににラッキーだと思う。本当に好きで、楽しんでる。いつも、今までもそうだった。私が12歳のときに、なりたかったものなんだ。私はその通りのままだね。色々な意味で。

ジェフリーブラウン:ポール・サイモンは、今、ツアー中である。新旧の曲を歌いながら、夏を通して世界中を巡る

(終)

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